加工食品の「リン酸塩」って本当にキケン?
最近、加工食品に含まれる「リン酸塩」が注目されています。
あなたも、「リン酸塩って本当にキケンなの?」と疑問に思っているかもしれませんね。
そこで今回は、リン酸塩について詳しく解説していきます。
添加物のひとつ「リン酸塩」とは
添加物のひとつであるリン酸塩は、食品の保存性を高めたり、材料同士をくっつきやすくする目的で配合されています。
リン酸塩は、食品の乳化(油と水をうまく混ぜ合わせる)、結着(原料と原料をうまく引っ付ける)、pH調整(食品中のpHを調整することで、保存性、品質維持に役立つ)として練り製品や食肉製品・プロセスチ-ズなどに用いられる食品添加物です。
参考:コープしが
もともと人間に必須のミネラルであるリンと、ナトリウムなどを結合させてできた添加物です。
リン酸塩の原料
世界で限られた地域でのみ採掘されるリン鉱石からリン酸が製造され、二次塩としてリン酸塩が製造されます。参考:栄研商事株式会社
リン酸塩の原料は、鉱物です。
これらの成分は、自然界にも存在しており、私たちの体内にも含まれています。
リン酸塩を添加する理由・メリット
なぜリン酸塩が食品に添加されるのでしょうか。
それは、リン酸塩が食品の保存性や食感を向上させる効果があるからです。
また、リン自体が人間に必要なミネラルであるため、健康食品の栄養強化目的でも使われる事があります。
リン酸塩が多く含まれる食品
リン酸塩は、特に加工食品に多く含まれています。
例えば、ハム・ベーコンなどの加工肉やかまぼこなどの練り製品、プロセスチーズなどの乳製品に使用されています。
リン酸塩が「危険」「食べてはいけない」と言われる3つの理由
一部の人々からは、「リン酸塩は危険だ」「食べてはいけない」と言われることもあります。では、その理由は何なのでしょうか。
カルシウムの吸収が阻害される
リン酸塩の摂取が過剰になると、カルシウムの吸収が阻害される可能性があります。
カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素であり、十分に摂取することが大切です。
そのため、リン酸塩の摂取量には注意が必要です。
ただしリンも必要な栄養素であるため、絶対食べてはいけない!というワケではありません。
むしろカルシウムも摂りすぎるとマグネシウム不足を招き、結果的に骨に悪影響があることも…
【デマ】発がん性がある
一部のウェブサイトやSNSなどで、「リン酸塩は発がん性がある」という情報が拡散されていますが、これはデマです。
科学的な根拠がない情報に惑わされず、正しい情報を得るようにしましょう。
原料や工業的処理で作られているから怖い
リン酸塩は、鉱物を原料として科学的な処理を経て作られています。
これにより、一部の人々はリン酸塩を怖がることがあるようです。
ただしリン酸塩は1957年に初めて日本で認可されてから、現在22種類も認可が下りている添加物。
これまで健康被害はもちろん「平均的な量を摂取して起こった悪影響」の報告はありません。
リン酸塩の許容量は?
リン酸塩の許容量についても知っておきましょう。
リンの摂取上限
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人のリンの摂取上限を3000mg/日と記載されています。
ですが、この量を超えたからと言ってすべての人に健康の変化があるわけではありません。
日本人の平均リン酸塩摂取量
また日本人のリン摂取量は平均1000mg/日ほどという調査結果があります。(令和元年国民健康・栄養調査報告)
加工食品だけで1日の食事を終わらせる、という極端な食生活をしない限りは問題ないと言えます。
リンが少なすぎて起こる体調不良
一方で、リンが不足すると体調不良が起こることもあります。
リンはエネルギー代謝や骨・筋肉の構成成分などに関与しており、適切な量を摂取することが重要です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、18歳以上の男性の目安量(必要なリンを十分摂取できていると判断される値)を1000mg/日、18歳以上の女性では800mg/日と定めていて、これを下回る場合はむしろ要注意です。
リン酸塩は茹でると少なくなる?
一部の人々は、ウインナーを茹でるなど、茹でこぼしによってリン酸塩が少なくなると考えていますが、実際にはそれほどリン酸塩の量は変化しません。
茹でこぼしでは平均10%ほどリンが減少するので、気持ち程度と言えますね。
「リン酸塩が怖いから加工肉は食べない!」←意味ないかも
最後に、一部の人々が「リン酸塩が怖いから加工肉は食べない!」と言っていることがありますが、これは少し誤解があるかもしれません。
加工肉には確かにリン酸塩が含まれていますが、日本人の平均的な食生活をしている限り、ちょうどいい量のリンを摂取できている事となります。
なので、加工食品を絶対避ける!という極端な考え方ではなく、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
以上、リン酸塩について解説しました。
リン酸塩に対する意見や情報はさまざまですが、科学的な根拠を持って判断することが大切です。
適切な摂取量を守りながら、健康な食生活を送りましょう。